橘玲「人生は攻略できるー君たちはこれからどう生きるか?」
「人生は攻略できる」
人生をRPGのような世界観で捉えて、攻略法を伝授する。そんな本だった。
これまでの日本人の人生設計は、いい学校を卒業し、終身雇用が保証されている中で、大企業に長く勤めて、老後に年金をもらうというモデルだった。
しかし、これらはすでに少子高齢化や年金支給開始年齢の引き上げによって崩壊した。友人の学生起業家は揃って「日本オワコンだよね」と言う。まあ、わからなくはない。でも私は日本が好きだ。経済的に豊かで、社会的規範がしっかりしていて、日本語という小難しい言語を一億人も喋っている。こんな変わった国、好きにならずにどうする。
とはいえ、日本の未来がめっちゃ明るいとは言い難い。若者がどんどん少ないのなら、少数精鋭で頑張って行こうじゃないか。一人一人が社会のために力を尽くすことがいい未来を引き寄せると、私は本気で信じている。そのためには自分の人生を充実させることが肝要だ。では、私たちはどう生きるべきなのか。
全てのゲームには攻略法がある。
ここでこうすべき、という鉄則と、これだけはやってはいけないという禁止の組み合わせ。これを守れば大成功とは行かずとも、ゲームを有利に進めることができる。
(中略)人生のゴールは幸福になることだ。幸福の定義は人それぞれ違うだろう。そこに優劣はない。それでもほとんどの人が同意する幸福の定義はある。
①好きなことを夢中でやって、今が楽しい
②後から振り返って「幸福だった」と思える
そしてこの2つはつなげっている。好きなことに夢中になるのが「やりがい」で、それが積み重なると「生きがい」になり、それを後から振り返って幸福な人生だと思うのだ。
(中略)
①お金(金融資本)②仕事(人的資本)③愛情・友情(社会資本)
幸福はこの3つの資本の上に作られる。その組み合わせかたは人によって異なるだろう。
「幸福の土台」を手に入れるために必要なのは、新しい時代のルールを理解して、大事なところで正しい選択をすることだけだ。これで人生は攻略できる。
私たちは目指すべき人生戦略は、
大きな人的資本、大きな金融資本、小さな愛情空間、そして広大な貨幣空間に広がる「友達ネットワーク」を持つこと。
人的資本(仕事)は「好きなこと、得意なこと」に一極集中する。圧倒的に努力できることは好きなことor得意なことだから。会社に所属しながら、またはフリーランスでプロジェクトに参加する形で仕事を行う。その時に重要になるのが「評判・信頼」だ。
金融資本はグローバルマーケットに分散投資する(借金を背負ってマイホームという不動産に一極集中させない)社会資本は夫婦と子供の小さな愛情空間・友情空間と、世界中に貨幣空間(友達)ネットワークを作ること。
この本を読んで一番刺さったのは、「自由とは、国家にも、会社にも、家族にも依存せずに生きていくのに十分な資産を持つことである」という言葉だった。
経済的自由を手に入れることが今の私にとって至上の命題なのだ、、と感じた。
親や未来の旦那さんに依存して、自分の意思を貫き通せないような状況になってはならない。これがしたい!と思った時に、自分の意思でやり遂げられる自分になりたい。日本だけでしか生きていけない人間ではいけない。会社に魂を売ったサラリーマンにはならない。そう固く決意できた本だった。